奥様のお仕事
全然楽しくない食事
これなら いつもの お箸や 気取らないフォークやスプーンを
使って 今日あったことなんか
話しながら 祖父と囲んだ自分の作った
食事の方が百倍美味しい。


だいたい お上品すぎて 物足りないし
こんな食べるだけなのに
うるさく注意されて 美味しさなんか吹っ飛んだ。


格闘しながら それでも 胃を満たすために完食。


「ごちそうさまでした」


恐る恐る浩一郎を見上げる。


「いいね 飲み込みが早いよ マリン」

笑顔が戻っていて ホッと胸を撫ぜおろした。



「今 教えたことは こうやって
人前でコース料理なんかを食べる時に必要だから
あとは多少間違ってもいいから 堂々と
笑顔でごまかすくらいの度胸で やりなさい」


もう二度といいですって・・・・・
こんな食事楽しくないもの!!!


食器を下げに来て スタッフがいなくなった。


浩一郎は 隣にある書斎で 書類を見ている。


いつまでいるのかな・・・・・・。
一向に帰らない浩一郎

「ガウンとか用意してあるだろう
お風呂にゆっくり入りなさい」

入りなさいって・・・・・・・
あなた いつ帰るの?
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