奥様のお仕事
「またおいで」

実さんの言葉に 大きくうなずく
マリンに会いに また絶対に来るから


マリンはずっと俺にベッタリだった。
柔かい金髪をドライヤーで 乾かすとフワフワになった。


話に花が咲く 祖母と実さんの談笑を聞きながら
マリンと一緒にベットに入った。


「マリンは誰が好き?」


「じいちゃん」


「二番目は?」


「こーちろー」
俺の名前を聞きたくて 自分でも呆れた。


「マリン 俺のお嫁さんになるか?」


「なる!!」
三歳にも満たない子が その意味をわかるはずもないのに
俺はいったい何を言ってるんだろう・・・・・。


祖母が言ってた 血が騒ぐのか・・・・・


「約束だぞ 二十年後 マリンは
俺のお嫁さんになる」


「お嫁さん わかった」


幼い子とそんな約束をした俺がこれからこの出会いで
葛藤する日々を送ることになるなんて
この時は思わなかった・・・・・・。



だって おかしいだろう?
こんな小さな女の子が忘れられなくなった。


この子の 二十年後
絶対に 俺のものにしたいと思うなんて


頭 おかしいのか 変態なのか・・・・・・・・
天使はあっという間に 眠ってしまった。


可愛い寝顔を見ながら俺も 深い眠りに落ちた。
< 271 / 296 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop