奥様のお仕事
「勉強や出身校だけが賢いとか偏見はやめてほしい
生きていく賢さがマリンにはある。
尊敬する黒木氏が しっかりマリンを教育してる」


「黒木みたいな 風の吹くまま生きてきた男に
何の教育ができると言うんだ?
自分の娘をちゃんと教育しなかったから
孫がこんな容姿なんだろう」

祖父のことを知ってる?
それ以上に 怒りがこみあげてきて


私は立ち上がった。


「祖父は私の誇りです。
親を選べず生まれてきた私は祖父の温かさの中で
幸せに生きてきました。
お金はなくても 小さな島で小さな家に住んでいても
祖父は私の幸せをいつも考えてくれてました。
大切な子供や孫を家のため会社のためとか
利益や札束で見てる人たちよりずっとずっと
素晴らしい人間です」


腹が立って もう止まらない。
私の大切な祖父を軽蔑するようなことを言われて
我慢できるか!!!


「そんな人たちに 浩一郎の人生を
めちゃくちゃにされたくないです。
私が浩一郎を幸せにしますから
どうぞご安心なさってください」


言い終えて力尽きた。


四人は私を見て唖然としている。
少し冷静になって

今の言動は浩一郎のシナリオには なかった……よね……?


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