海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~
「ありがと……」
「……お疲れさま」
「ん……」
今まで必死でガンバってきた自分を認めてもらったという嬉しさと
彼の優しい声音で、更に涙腺が緩くなる。
止めどなく雫が頬を伝い、思わず俯くと
彼は何も言わず、ただただ優しくポンポンと頭を優しく撫でてくれた。
「じゃぁ、ご褒美でも作りますかね」
私が落ち着いたのを見計らって、隣にいた夏生さんが
おもむろに立ち上がる。
「ご褒美……え、今から作るの?」
「そ。今から作るの……確か、冷蔵庫に……」
「ちょ、ちょっと待って。今何だと……」
「ん?二時過ぎ、だね」