海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~

平然と笑顔でいいながら、キッチンに立つ夏生さん。

いやいや、普通夜中に作らないでしょ?

それに、私は休みだからいいけど夏生さんは明日も仕事じゃないの?



「実はさ、波瑠に呼び出しされる時、ちょうど作ってたんだ」



そうなんだ。

じゃ、いいかな。

って本当にいいの?帰らなくて大丈夫??

そう思いつつも、彼が何を作っていたのか興味の方が優っていて

ついキッチンの方に身を乗り出して聞いてしまった。



「何を?」

「ちょっと待ってて、仕上げるから」



出すまで内緒とでも言うように、形のいい唇に人差し指をあてて

ウィンクを1つ。

そんな仕草に、トクンと心臓が音をたてた。

もう、彼の一挙一動にドキドキしてどうするの。

初恋かっての。

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