海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~
あ、目がキラキラしてる。
本当に料理の事となると人格変わるわ、この人。
前のめりになって聞いてくる彼が、可愛くて思わず笑みが零れる。
「凄くいい!完成度も高いし、このまま出しちゃえば?」
「んー。飴細工を使うなら、今のままじゃ難しいかな。形を変えて添える感じにするとか……」
考えるように右手を形のいい顎に置き、ぶつぶつ思案中の彼。
あぁ、こういう彼の姿、嫌いじゃない。
真剣に仕事に打ち込む姿勢。
ん……好きだな。
「なぁ、亜紀」
「ぅ、え?」
「プッ……変な声。なに、考えてたの?」
「べ、別に」
悟られたくなくて、ぶっきらぼうに答えてしまう私。
あぁ、可愛くない。