海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~
「あぁ、いいよ。流しに置いとけば、数時間後にはスタッフが来るから」
ですよね……。
私から、お皿とスプーンを取り上げそのままシンクに置いてしまう。
「ほらほら、もたもたしない。帰るよ」
背中を軽く押して、裏口に急がせる夏生さん。
そんなに早く帰りたいのかな。
折角、恋人同士になったのに。
一緒に居たいとか思わないのかな。
「俺のマンション、ここから15分くらいかかるけどいい?」
え……俺のマンション?
「行かないの?」
ヘルメットを手に、苦笑する彼。
そんな彼をじっと見つめて、頭の中でリフレインする。