海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~

「あぁ、いいよ。流しに置いとけば、数時間後にはスタッフが来るから」



ですよね……。

私から、お皿とスプーンを取り上げそのままシンクに置いてしまう。



「ほらほら、もたもたしない。帰るよ」



背中を軽く押して、裏口に急がせる夏生さん。

そんなに早く帰りたいのかな。

折角、恋人同士になったのに。

一緒に居たいとか思わないのかな。



「俺のマンション、ここから15分くらいかかるけどいい?」



え……俺のマンション?



「行かないの?」



ヘルメットを手に、苦笑する彼。

そんな彼をじっと見つめて、頭の中でリフレインする。

< 110 / 124 >

この作品をシェア

pagetop