海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~

「い、行くっ!」



さっきまでの沈んだ気持ちは何処へやら。

一気に気分上昇し、思わず夏生さんに飛びつき抱き付く。

そんな私に「お、大胆だね」なんて嬉しそうに頬を緩めた。


なかなか素直になり切れない私だけど

この人となら、真っ直ぐな恋が出来るかもしれない。

自分を押し殺すことなく、素の自分で彼と向き合える気がする。


相澤さん……夏生さん……ナツ……

だんだん彼を知って、呼び方も変わって――

ティラミスみたいに甘いだけじゃなく

ちょっとビターでほろ苦い喧嘩もするかもしれない。

だけど一方通行じゃなくて、お互いを支え合えるような

素敵な恋をしていきたな。

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