海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~
あぁ……相変わらずお前は、海桜ちゃんには弱いんだな。
「あ、海桜。海瑠、俺が見ようか?」
「ほんと?パパ、ありがとう」
パパ?……お前、パパって呼ばれるようになったんだ。
幼い頃から知ってるだけに、笑えてくる。
波瑠は海桜ちゃんから、大切そうにカイルを受け取ると
宝物を扱うように大きな腕に収めた。
夢の中で何かを食べているのか、口をぷくぷく動かしているカイル。
ほっぺは柔らかく、マシュマロの様。
カイルに指を近づけ、柔らかいほっぺをツンツンする。
「可愛いな」
「当たり前だろ。俺と海桜の子だもん」
なぁ、とカイルにデレデレの顔を向ける波瑠。
海と仕事しか興味が無かった波瑠が、こうも変わるなんて
海桜ちゃんのお蔭なのかもしれないな。