海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~
「なに、知り合い?」
俺の呆れた顔で何か読み取ったのか、期待を含んだ顔を向けてくる。
まぁ、知り合いって言えば知り合いだ。
俺の旧友の想い人の親友、らしいから。
それに、ことの現場に居合わしちゃったしね……。
今思い出そうとしても、断片的にしか思い出せない。
それくらい一生に一度くらいしかないであろう現場に俺は直面した。
なんてたって男と女の修羅場だ。
波瑠と店長の間で一悶着あったさなか、奥のスタッフルームから姿を現したのが
今、このBARで飲んだくれている女だ。
血を流し倒れていた、海桜ちゃんは無事に病院に送り届けることが出来たけれど
この女は茫然としていて、Caféの床に座り込んだままだった。
服は乱れ、店長とナニをしていたのかは詮索しないけれど大凡のことは分かる。