海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~
まぁ、多少は調べさせてもらってるけど。
まだ情報は不十分。
だけど、その情報を聞く限りそう悪い女には思えないんだよな。
どっちかっていうと勝気で姉御肌的な感じだ。
だが、女はみんなズル賢い。この女もそうだ。
冷ややかな目で彼女を見ていると、不意にマスターが声を掛けてきた。
「ナツ。彼女、送って行ってくれないかな?」
あ、やっぱりそういう根端か。
いやに嬉しそうにしてたから、何かあるかと思ったけど。
「冗談でしょ? 嫌だよ」
せっかくゆっくり飲みたい気分だったのに、酔っ払いの世話なんてしたくない。
「知り合いなんだろ?彼女、このままひとりで帰らせられないでしょ。」