海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~
泣いたり怒ったり凹んだり、忙しい奴。
「とにかく、店出るぞ。マスター、こいつの金つけといて」
「はいよ。ナツ、すまんな」
すまない、と思うなら今度来たときには、この店で一番高い酒を奢ってもらうからな。
半ば強引に彼女の腕を引いて、店を出る。
その間も、彼女は泣きじゃくりながら文句を言っていた。
「んっ、気持ち悪い。」
口元を手で覆い、前屈みになる彼女。
「ウソだろ。我慢しろよ。」
どうしようか。
このまま路上で吐かせるわけにもいかないし……
くそっ、仕方ない俺の店に連れて行くか。