海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~
酔いが覚め自分がしでかした事を反省しているのか
カウンターに座った彼女は、終始俯いて両手をギュッと握りしめている。
ここsourireは、誰でも気軽に入れて、来た人を笑顔にするをコンセプトに
温かみのあるオレンジ色のライトを点灯し店内も暖色系で統一していた。
テーブルや椅子も木製の明るい色で、優しさや親しみを表している。
オープンキッチンを囲むカウンター席は、全部で十二席。
フロアにある、テーブル席は二十席あり、すべてが丸みを帯びたテーブル。
奥には半個室があるけれど、そこは殆ど波瑠専用だ。
「あのさ。さっき、Barで言ってたことだけど……覚えてる?」
「はい……なんとなくは」
なんとなくね……まぁ、全く覚えてないよりかはマシか。
「海桜ちゃんを騙してたって、自覚はあるんだよね?」
彼女は小さく頷き、俯く。