海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~
「反省してんの?」
再び、小さく頷く。
「それでも、また親友に戻りたい?」
結城は、顔をあげ俺の方を見ると大きな瞳からポロポロと涙を零した。
ふーん。しおらしいところもあるんじゃん。
「戻りたい、です。でも出来ない。海桜に……酷い事を、言ったから。言っちゃいけないこと、たくさん言ったから。海桜もきっと許してくれない」
涙を拭うこともせず、頬を伝ういくつもの筋は
彼女のブラウスやスカートに落ちてシミになっていく。
俺は小さく溜息を吐いて、頭を掻いた。
「まぁ、普通は許さないだろうね。人の絆とか信頼って、築くのは一生かかるけど壊すのは一瞬だからね。それでも元に戻りたいって思うなら、あんたと同じことを海桜ちゃんにされても許せるくらいの覚悟がいるんじゃない?君に出来る?」