海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~
俺なら、絶対に許さないだろうけど
サンゴちゃんなら、もしかしたら許しちゃうかもね。
あの子は、優しすぎるから――。
「築くのは一生……同じことをされても許せる覚悟……」
俺の言葉に何か感じてくれたのか、ジッと自分の手元に視線をおとし黙り込む。
こんな説教じみたこと好きじゃないけれど、彼女がいい方向に変われるなら
こういうのもアリかもしれないと思える。
「まぁ。まずは海桜ちゃん次第だけどね。一生の友達を失う覚悟だけはしておいてね。」
「はい……」
海桜ちゃんは、今日の夕方に目が覚めたと波瑠から連絡が入っていた。
どうやら、記憶も無事に全てを思い出しているらしい。
容態も落ち着いているみたいだし、波瑠の想いが少しでも届くといいんだけどな――。