海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~
「サンゴちゃんの着替え、亜紀ちゃんから預かってきた」
そういうと、サンゴちゃんはハッとした表情で俺を見上げ
瞳を揺らした。
「あ……亜紀、が?夏生さん、ありがとうございます。亜紀にもお礼を言っていたと伝えてくれませんか?」
「分かった」
戸惑いを隠せない、サンゴちゃんの言葉。
きっとまだ、結城が裏切ったことを心底から許せてはいないのだろう。
そう思った俺の想いを覆すかのように、サンゴちゃんは言葉を続けた。
「それと……私たちは、ずっと友達だからって」
その言葉が聞えた瞬間、ドアの外で待っていたであろう結城の息を飲む音が聞こえ
バタバタと走り去る足音がした。
本当に、海桜ちゃんって子はお人好しっていうかなんていうか
優しすぎる女の子だな。