海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~

走り去る足音に、サンゴちゃんも気が付いたのか

ドアの方に視線を向ける。



「実は亜紀ちゃん、一緒に来たんだけどさ合わす顔が無いって……会いたかった?」



着てるの、バレたかな。

ま、逃げたくなる結城の気持ちも分からないでもないけどな。

後で声掛けとくか。

俺は小さく溜息を吐きながら、頭を掻いた。



「亜紀が……会ってもいいって思える日が来るまで待ちます」



優しいだけじゃない、か。

芯が強い。

波瑠が好きになるのも、無理はないな。


俺は二言三言、波瑠たちと言葉を交わし病室を出た。


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