海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~
「あぁ、もちろん。歓迎するよ」
口角をあげて、微笑む。
今の君なら、俺の料理出してもいいかな。
こう言うのは本当は、客を選んでいるようでいけないコトだけど
以前の、橘に依存してしまっていた結城には
正直なところ食べて欲しくなかった。
だけど、今の結城なら……
一歩、前に踏み出そうとしている彼女なら
応援っていう意味でも、俺の料理で元気になって欲しいと思う。
日々の生活で疲れたり、泣いたり、辛いことがあったとしても
美味い料理の前では、みんな笑顔になる。
だから俺は、店に来た人の心を癒せる料理を作りたい。
そう思って、俺はこの世界に入った。
料理を食べて元気に、笑顔になって帰っていく人たちをみると
俺も力を貰ったように、もっと頑張ろうと思える。
だから、いつか結城にもサンゴちゃんと一緒に俺の料理を食べて欲しい。
傷つき傷つけた間だからこそ、分かり合えることもあるはずだから。