海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~
二口、三口、彼女の口に吸いこまれていくパスタ。
さっきまで緊張していた顔はどこにやら。
今の彼女には、幸せそうな笑顔が浮かんでいる。
なんて美味しそうに食べてくれるんだろう。
こっちまで嬉しくなる。
やっぱり、料理を食べてくれる人の笑顔が大好きだ。
ひと時でも、料理で笑顔に出来る。
この瞬間がなによりも嬉しく思う。
「ね。お腹空いてたの?」
「いえ。家を出る前に、少し食べてきたんですけど。コレ、凄く美味しくてスミマセン」
「なんで謝るの?俺、美味そうに食べてくれる人って好きなんだ」
「っ……ゴホッ、ゴホッ」
いきなりむせ返り、水を一気に喉に流し込む。
何か変なこと言ったかな?