海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~

「あの。普段から、そんなこと言ってるんですか?」

「え……だって、本当の事だから。俺の料理食べて、もっともっとたくさんの人を笑顔にしたいんだ。俺、変なこと言ってる?」

「……いえ、そんなことは。でも、あんまり“好き”って言葉はむやみに使わない方がいいと思いますよ」

「なんで?」

「なんでって……その顔で、そんな言葉言われたら勘違いされますよ。今まで無かったんですか?」



あー、そういう事か。

まぁ……あったと言えばあった。

俺は料理を食べる人の “ 笑顔 ” が好きなんだけどなぁ。

いつもそう言ってるのに……。



「あるんですね」

「まぁね」



俺がそういうと、呆れたように深いため息が落とされる。

それと同時に、カチャンとフォークをお皿に置く音が聞えた。

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