海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~
「もちろん」
俺は、この日最高の笑顔を彼女に向けた。
なのに彼女は眉を顰め、軽蔑した視線を向ける。
「……紛らわしい」
独り言なのか小さくそう呟くと、立ち上がりカバンを手にする。
「何か言った?」
「別に」
結城は、嘘くさい笑顔を浮かべてそいうと半個室を出く。
俺は「またね~」とヒラヒラと手を振りながら、彼女の背中を見送った。
ふっ、少しは男の言葉を鵜呑みにせず
用心深く警戒するようになった訳だ。
いい傾向じゃないの。