海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~
ティラミス・ラブ
出会いは悲鳴と共に
俺は、旧友の藤堂波瑠(とうどう はる)と一緒に
いつも行く砂浜近くの通りを歩いていた。
飲み会の帰りともあって、二人ともほろ酔い気分。
居酒屋を出たのが、二十一時半を回っていたから
二十二時近くだろうか。
海辺近くは人通りもなく、静かな波の音だけが聞こえてくる。
そんな中、俺たちは冗談を言い合っていた。
だって波瑠の顔には想い人である、サンゴちゃんに会いたいって書いてあるんだから
からかいたくもなるって。
サンゴちゃん……神崎海桜(かんざき みお)
海の桜、と書いてサンゴとも読むから
俺たち仲間の間で、サンゴって呼んでいる。
彼女は、この浜辺にある Heart reef Café でアルバイトをしている
二十四歳の笑顔が可愛い女の子だ。