海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~
イラついたり心配したり、そして会いたいと思う、この感情。
これはきっと“恋”だ。
最初に出会ったときは、あんなバカな女ありえないと思っていたのに。
いつの間にか、アイツの物怖じしない勝気な性格と
容姿関係なく俺に接する態度に、惹かれていたんだ。
今まで俺に近づく女は、みんな相澤の名前と人気シェフという肩書。
そして、この容姿目当てで寄って来る。
けれど亜紀は、容姿や肩書じゃなく“人”として見てくれていた。
そもそも彼女は、橘柊司に遊ばれていたんだから
“男”というものに、嫌悪感があったのかもしれない。
そんな彼女を“好き”になったのなら
俺はこのネットワークを使うべきじゃない。
正々堂々、次に会った時にきちんと言葉にして聞くべきなんだ。