海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~
最後まで俺の言葉を聞くことなく、切れた電話。
受話口からは、無機質な音が流れる。
くそっ。やっとイラつく気持ちに、折り合いをつけたところなのに
相変わらずワガママな親友だよ、アイツは。
なんが無茶苦茶、腹が立つ。
幸い、波瑠のマンションはココからそう遠くない。
文句の一つでも言わなきゃ、収まらない。
試作品を作っていた手を止めエプロンを取ると
店を出てバイクに跨った。
波瑠のマンションに着くと、バイクを駐輪場に置き部屋にむかう。
そして、部屋のドアが開くと出てきた波瑠に文句を言った。
「お前ねぇ。こんな遅い時間に呼び出すなよ。俺はお前の執事じゃねーんだぞ?」
「お、早かったな。」
「え?夏生さん?!・・・波瑠さん、ボディガードって夏生さんの事?」