海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~
なんで目を逸らすんだよ。
仕事が忙しくて、店に来られなかったんじゃないのか。
そうでなくても連絡くらい……
なんだ。結局、俺に会いたくなかったって事かよ。
俺が何をしたんだ。
俺を避ける原因って、なんなんだよ。
イラつく気持ちを抑えつつ、隣でしてやったり的な笑みを浮かべる波瑠を睨む。
「お前、何考えてるんだ?」
その問いに答える気は無いようで、波瑠は俺の左肩をポン叩いて
ウィンクをしながら小声で言った。
「上手くやれよ。」
「なっ……」
……食えないヤツ。
亜紀に対する気持ちを、波瑠に気付かれないようにしていたつもりだけど
どうやらバレていたみたいだ。