海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~
「……なんで……」
「え?」
「夏生さんは、なんで私に優しくするんですか?」
「なんでって……」
それは、好きだからだけど。
ココじゃ言いたくない。
変なプライドが、俺の口を閉ざす。
「私、海桜みたいな真っ直ぐな恋愛がしたいんです。」
「……良いんじゃない?」
海桜ちゃんのお見舞いに、病院に行ったときにもそう言っていた。
だから、その気持ちは知ってる。
「夏生さんにとって、私は不特定多数の女の1人かもしれないけれど。私は……私、は……」
亜紀の顔が、苦しそうに歪む。