スキってなに?
キーンコーンカーンコーン

ここで授業終了のチャイムが鳴る。

みんな終わったーと声を出す。

「篠宮くんのせいで先生に
怒られちゃったじゃん。」

「え?俺のせい?だって話すたびに
いつも変な顔してる松下が
いけないんじゃん」

な、なにそれ。
私はいつも普通の顔ですけど。

「私はいつも普通だから。」

でも、真顔に近いってちょっとショック。
どうしたら笑顔になる?

「ねぇ、篠宮くん。
どうしたら真顔じゃなくなるかな?」

んー?と考えてくれる篠宮くん。
てか、どうして考えてくれてるのかな?
くだらないことなのに。

「んー、やっぱり人と話すと
笑顔になれると思う。
だって話してると楽しいじゃん?」

「うん。」

確かに篠宮くんと話してると楽しい。
もっと話したいなって思う。

「だからこれからずっと
俺と話してれば楽しいと思うよ!」

「うん、そうだね!」

「んじゃ、俺友達待ってるから帰るね。
また明日な美那!」

「うん、また明日ね篠宮くん」

手を振って篠宮くんは
教室から出ていった。
さっき美那って、私名前呼ばれた?
まぁ、私もそろそろ家に帰ろうっと。
立ち上がり教室から出ようとしたら…
あれ?篠宮くん戻ってきた。
忘れ物かな?
ほんと忘れっぽいんだな。って
こっち向かってきてる?

そして私の前に。

「ね、さっき篠宮くんって言ったよね?
俺、名前で呼んでほしい。
それ言い忘れてたから言いに来た。じゃ」

と言って篠宮くんは
すぐ教室を出ていった。
え?急すぎてどうしたらいいか
わからなくて人見知りで人と
あまり話さなかった私には
大きすぎる出来事…。
一体どうしたら?
これからどうすれば?
名前で呼ぶべき、なの?
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