スキってなに?
「ね、昨日言ってたこと。
名前で呼んでって」

「あー、呼んでくれるの?」

なんですかその笑みは。

「そのせいで私、
全然寝れなかったんだから。」

「そんなに考えてくれたの?
嬉しいなー」

なにその言い方。
篠宮くんはよく分からない。
どんな人なのかも。
それと同時にもっと知りたいと思ってる。
でも、なんでだろう?

「それより、呼んでくれるの?美那。」

え?名前。篠宮くんは私のことを
名前で呼んだり名字で呼んだり。

「う、うん。」

なんか少し恥ずかしい。
ただ名前を呼ぶだけなのに。

「やった!嬉しいなー」

なんでそんなに喜んでるの?
そんなに嬉しいことなの?
名前呼ばれるのって。

「なんでそんなに嬉しいの?」

「え、それはまぁ俺にもいろいろあるの!
それよりもうすぐ授業始まるんじゃん?」

あれ?話流された?流されたよね?

「てかさ、美那人見知り直ってんじゃん?」

「え?」

「だって俺と普通に話してんじゃん!」

あ、たしかに。なんでだろう?
篠宮くんだから、かな。

「それはきっと篠宮くんだからだよ。」

「あ、今篠宮ってー」

あれ?ちょっと拗ねた?

「あ、ごめん。優太、くん。
名前で呼ぶの慣れてないから。」

あれ?笑顔に戻ってる。
まったく分からないな優太くんは。

「初めて名前呼んでくれた。」

そんなに嬉しいんだな。

「てか、ほんとは呼び捨てが
いいんだけどなー
呼び捨てで呼んで欲しいなー。」

え?


えー⁉︎


いきなり名前を呼び捨ては
もっと仲良くなってからのほうが
いいと思うんだけど、、。



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