(仮)じれったい小指


私の周りの生徒が教えてくれた。

「逆らうと酷い目に遇うわよ。」
「でも今は無視に限るわ。」
「あっちに行きましょ?」

私の手を引いて場所を変えようとするクラスの女子生徒から逃れてつい、私は彼女の質問の答えじゃ無くて別の言葉を発していた。

「か、か、可愛い!」

まさか…質問の答えに自分の顔の感想が出るとは思わなかったのか今度は彼女が怪訝そうな表情から急に不機嫌な顔に変わった。

「あら、そう?ありがと!
私そう言われるの飽きてるの。」

「ごめんなさい!
初対面なのに失礼な事を…
でも本当に可愛いくて、つい…
あ、また言っちゃった!
重ね重ね、ごめんなさい!」

それを聞いた彼女は驚いた表情をしたものの…
すぐ豪快に笑い出した。

「アハハハ!可笑しい!
あなたって正直なのねぇ!
不思議だわ。あなたに言われても
ちっとも悪い気はしないわ。
私、あなた気に入っちゃったわ!
これも何かの縁かしら。
私達の仲間にならない?」

何、この展開…と呆気に取られてポカ〜ンと口を開けたまま彼女を凝視していた。
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