(仮)じれったい小指


今度は私の考えてる事が判るのか笑顔で話し掛けて来た。

「まぁ、私の質問の答えは後でも構わないわ。友達してれば話してくれる機会も有るでしょうし…」

ホームルームが始まる前の教室で初めて出会った後ろの席の彼女。
その彼女のペースで話が進んでて余りにも速いそのテンポに付いて行けなくて乗り遅れそう!

「やっぱり、な…
お前、よそから来た証拠だな。」

「えっ?どうして判ったの?
私が知らない顔だから?」

その声は男子で私の左側の席の
生徒が話し掛けて来たのだ。

「いや、同じ中学から来た生徒で知らない奴らも居るから。」

「そうなの?みんな顔見知りだと
思ってた。知らない人も居るの?
どうして知らないの?」

そう聞いてみた。

「一度も同じクラスになった事が無い奴も居るじゃん?
クラブが違えば知り合う機会すら無いに等しいだろ?」

「そっか、そう言う事ね。
じゃ何故、私が新参者だと?」

彼は鼻で笑って答えた。

「王女様のペースに飲まれ過ぎ!
結構、速いからな、アイツ…」

「王女様って?」

その答えにホラ見た事かみたいな顔で彼女をクイッと顎で示した。
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