お前を好きになって何年だと思ってる?
「ほんと。…な、美愛」

うそじゃ…ない。付き合ってるんだよね

「…うん」

その途端また静寂に包まれた。

「美愛…」

恵美が驚愕したように私を見た。

「武田君が…好きなの?」

その言葉に何も言えないまま、教室にチャイムが鳴り響いた。

冬夜はその音にだけ反応して静かに本を閉じた。
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