お前を好きになって何年だと思ってる?
自然と涙が溢れ出す。

「幼馴染みとか友達だなんて思ったこともねぇよ」

冬夜の冷たい目と言葉が余韻となって胸に突き刺さる。

ずっと小さい頃から…それこそ赤ちゃんの頃からずっと隣にいたのに

こんなにあっけなく崩れ去るものなんて…

自分が言ったことなのに…やっぱり離れたくないなんていう勝手な、我儘な感情。

これは幼馴染みとしてだけじゃない…

なんだか…よくわからない気持ち。

冬夜と離れたくないっていう別の感情。

もやもやした塊。

いつか…わかる日がくるのかな…

この塊の正体…。

わかったとき…私は冬夜とまた前みたいに笑えてるのかな…?

私は涙を流しながら冬夜の家を去った。
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