Love Butterfly
 チームは解散したけど、京子への想いは冷めてたけど、あれからやっぱり、京子が気になって、何回か電話をしたけど、もう携帯は解約されてて、家に行ってみても、お手伝いさんが出てくるだけで、京子は、俺の前には姿を見せんかった。そのことを崇大に話すと、それは一回、見に行ったほうがいいってことになって、一週間くらいして、崇大は陽子を後ろに乗せて、俺らは三人で、京子の家に行った。京子の部屋の電気は消えてたけど、俺らは、思いっきりエンジンをふかして、でっかい声で、京子を呼んだ。でも、京子は出てこない。諦めて、もう帰ろかってなった時、京子の部屋の電気がついて、慌ててお手伝いさんが出てきて、しばらくして、救急車が来た。
「なんか、あったんかな……」
俺らは邪魔にならんように、ちょっと離れたところから見てた。近所の人がぞくぞくと出てきて、中から、担架が出てきた。
「あれ、京子ちゃうんか!」
崇大がそう言って、俺らは近くまで行こうとしたけど、パトカーも来てて、俺らはもう近づけなくて、そのまま担架は救急車に乗せられた。ちらっと見えた京子は、目を閉じていて、俺らは、言わんかったけど……生きてるようには、見えんかった。
 
 次の日、家に行ってみたら、お手伝いさんじゃなくて、違う女の子がでてきた。京子の姉ちゃんらしいけど、全然似てなくて、なんか、性格の悪そうな、高飛車な女で、俺のことジロジロ見て、なんですか、って冷たく言った。
「京子……さん、いますか」
「いません」
そう言って、ドアを閉められかけたけど、俺は慌てて、
「あの、これ……」って、手紙を渡した。
「京子さんに、渡してください」
そいつは、汚いもん触るみたいに、俺の手紙を受け取って、ドアを思いっきり閉めた。どうやら、死んではないみたいやった。でも、家にいてる感じはなかった。
 その後、噂で、京子は、自殺をしたらしいって聞いた。手首を切って、自殺したらしい。でも、その後のことは、わからんかった。家にも帰ってる様子もないし、学校にも行ってないみたいで、俺らはみんなで京子を探したけど、結局、京子の行方はわからんかった。
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