Love Butterfly
(3)
俺たちが、兄妹になって、二週間が経った頃、さゆりの様子がおかしくなった。
さゆりは、ここに来てから、時々、鏡を見ては、一人でブツブツ言っている。特にここ二、三日は、顔色も悪くて、夜中もうなされて、時々目を覚ましては、寒い、怖いと、泣いていた。
大丈夫だよ、俺は、その度に抱きしめてやっていたけど、俺はそのさゆりの様子に、心あたりがあった。たぶん、さゆりは……でも、その現実は、認めたくないもので、俺は一人で、浮かび上がってくる、その心当たりを、打ち消していた。
その夜も、さゆりは風呂に入るまで、ぼんやりベッドに座っていて、先に入りな、と言うと、びっくりしたような顔をして、ああ、と言って、風呂に行った。
寒くて、押入れからジャンバーを出そうとすると、そこには、さゆりのボストンバッグが置いてあった。さゆりは、時々、このカバンの中を覗いては、ため息をついていた。
何が、入っているんだろう。
いけないと思いながらも、カバンを開けた。
中には、封の開いたタバコと、百円ライターと、なぜか、コンドームと、高そうな時計が三本、入っていた。そして、その下には、銀行の袋があって、その中には、一万円札が二十枚入っていた。内、十枚は新札で、後の十枚は、どこか、薄汚れていた。
俺は、その不思議な荷物をしばらく眺めていて、風呂のドアが閉まる音に、慌てて、中を戻して、押入れに押し込んだ。
さゆりは、ここに来てから、時々、鏡を見ては、一人でブツブツ言っている。特にここ二、三日は、顔色も悪くて、夜中もうなされて、時々目を覚ましては、寒い、怖いと、泣いていた。
大丈夫だよ、俺は、その度に抱きしめてやっていたけど、俺はそのさゆりの様子に、心あたりがあった。たぶん、さゆりは……でも、その現実は、認めたくないもので、俺は一人で、浮かび上がってくる、その心当たりを、打ち消していた。
その夜も、さゆりは風呂に入るまで、ぼんやりベッドに座っていて、先に入りな、と言うと、びっくりしたような顔をして、ああ、と言って、風呂に行った。
寒くて、押入れからジャンバーを出そうとすると、そこには、さゆりのボストンバッグが置いてあった。さゆりは、時々、このカバンの中を覗いては、ため息をついていた。
何が、入っているんだろう。
いけないと思いながらも、カバンを開けた。
中には、封の開いたタバコと、百円ライターと、なぜか、コンドームと、高そうな時計が三本、入っていた。そして、その下には、銀行の袋があって、その中には、一万円札が二十枚入っていた。内、十枚は新札で、後の十枚は、どこか、薄汚れていた。
俺は、その不思議な荷物をしばらく眺めていて、風呂のドアが閉まる音に、慌てて、中を戻して、押入れに押し込んだ。