こころの温度差
花火を見た後
お茶でも、、。と
誘ってくれた
新井先輩のご厚意を断って、
自転車で二人乗りせず
駅まで歩いた。

帰り道は、
花火を満喫した
親子連れやカップルが
仲良さそうに手を繋いで歩いていく。



(去年はこうやって、
修と二人で見に来たのに。)


また思い出した。


あれから、
ずっと黙って歩いていた。


優しい先輩は、
私の気持ちを察してか、
声を掛けてこない。
 
それから、今日のお礼を言って
先輩と駅前で別れた。

「こっちこそ。今日はありがとうな。
 気をつけて帰って。」

そう言うと、
自転車は瞬く間に見えなくなった。

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