こころの温度差
いきなり、
西の方で稲妻が走った。
急いで、アパートへ駆け出す。
不思議なことに
あれほど痛かった足の指が、
気にならなかった。
程なく大きな音がすると、
雨粒が
ポトリと左の頬に落ちた。
慌てながら、
巾着からカギを取り出しす。
急いで部屋にあがると、
散らかっていた洋服を
全てクローゼットに押し込んだ。
それから急いで鏡の前に立つ。
(泣いたカラスが、もう笑った。)
今の、
焦っているのに、
なんだか嬉しそうな自分をみて
そう思った。
雨音が大きく激しくなっていく。
なんだか
段々、不安になって来た。