こころの温度差
「何となく、
あなたは私と同じ名前の様な
 気がしてたんです。

修はたまに辻褄の
合わない事を言うのに、名前は
間違えないなって思ってたから。」

「つじつまの合わないこと?」

「ええ。
私とは一緒に見に行ってない映画の話とか。
彼は上手くごまかしてるつもりだと思うけど。

私達が、こうして会ってること、
修は知ってるの?」

「いいえ。私が急に
あなたのバイト先に電話をしたんです。
修と亜矢子さんは付き合っているんですか?」

亜矢子は、私から目をそらすと、

「ええ。そのつもりです。」

と言った。
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