こころの温度差
「だから、修がおかしくなったとき、
もしかしたら
高校の時の彼女と
また付き合い始めたのかと思った。

でも彼のことが、
好きだったからどうすることもできなかった。」

そう言い終わると、亜矢子はひと息着いた。
そして何かを想うように右上を見上げた。

「ほんとは、あの時、
きちんとしておけば良かったんだね。
そうすれば、
私もあなたもこんな風に会うこともなかった。」

「どういうことですか?」

「私は意気地なしなの。こうしてあなたみたいに
自分から解決しようって動きだす事ができない。」
< 134 / 204 >

この作品をシェア

pagetop