こころの温度差
「私、私こんどこそ、
修と別れるわ。
 もう、もうこんな気持ちになるの、
こりごり。」

亜矢子が目に涙を溜ながら言った。



「そうやって自分だけ、
悲劇のヒロインに
なってるのって楽しいんですか?

修は子供で、
亜矢子さんに振り向いて欲しくて
やってるんだって、
まさか気が付いていないはず、
ないですよね?!」


亜矢子はとても驚いた顔をした。

そして溢れてくる涙を
ゆっくりとハンカチで押さえた。
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