こころの温度差
自転車は、
人の波と逆方向に進んでいる。

みな河原の方へと進んで行き
どんどん人も増えてくるのに、
自転車は反対方向の
小高かい丘のほうへ
向かって行った。

そうしているうちに、
人影もまばらになり
道もどんどん狭くなってくる。


(大丈夫なのかな?)

しばらく、
ぐねぐねした坂が続いた。

田舎でのんびりしすぎて
体重も増加してしまって居るので

「降りましょうか?」

と何度も訪ねたが、

「これもトレーニングの一環だから。」

と断固として下ろしてくれなかった。

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