キミに翼を授ける


お兄ちゃんが私に真剣に頼みたいこと…まるで想像できない。
分かるのは、いつもの様な"~買ってきて"とか"~貸して"だとか、そんなパシリ的なことを頼まれる雰囲気ではないってことくらい。


お兄ちゃんは私の目をじっと見ながら、ゆっくりと口を開いた。




「…マネージャーやってくれねぇ?」




耳を通った言葉は、心臓を大きく響かせる。


一瞬固まった私と似つかわしくない顔をしたお兄ちゃんの間には沈黙が流れた。




そして私は、瞳が落ちてしまいそうなぐらい目を見開いた。



「…へ?」

「だから、マネージャー。やってくれねぇ?」



予想外の頼み事に私の頭は混乱する。




マネージャー…それって部員たちのサポートをする、あれだよね?


…私が?


いや、無理でしょ!
っていうか、ないない!



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