キミに翼を授ける


なんだか彼が女子に騒がれる理由がわかってしまったかもしれない。…ちょっと悔しい。


すると彼はばっちり合っていた目線を解き、残念そうに溜息を吐いた。



「顔は紺くんに似てんのにな〜。もったいないねぇ。あ、だからムカつくのか」



カチン



あんなに見といて、出てくる言葉がそれ!?


さっきドキッとしてしまった自分がバカみたい。
やっぱり宮永くんは宮永くんだ…天敵だ!



「あんな猿顔じゃないもん!」

「紺くんは猿顔じゃねーし!あんなかっけぇ猿いないわバーカ!!」



言い返してみるもののあっさり返された私は口を紡いだ。


すると宮永くんはさっきよりも大きな溜息を吐く。



「…お前、いっつも晴れない顔してっからイライラすんだよ。紺くんみたいに笑ったらいいのに。」



私はもともと垂れた眉を一層下げた。



「うるさい…」

「下ばっか見てんじゃねーよって、ずっと思ってた」



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