キミに翼を授ける


サッカーについて無知の私でも分かる。彼が"すごい"ってこと。


それでも彼自身、何かに納得できないのか少し顔を歪ませた。



「「…っ佐山くぅぅーーーん!こっち見て!!キャーーーーーー!!!」」



再びギャラリーが騒ぎ始めると、私の鼓動も暴れ出す。



(遠い…)



整った容姿に、ずば抜けたサッカーの才能、溢れ出るカリスマ性。


佐山先輩は手の届かない所にいる。
私とは無縁な人。


それは今のでよーくわかった。


わかったはずなのに。



(…近付きたい。)



< 33 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop