キミに翼を授ける
生徒会が部活への加入方法や加入率、注意点などを説明すると、ようやく始まる。
『それでは各部活動のアピールタイムです。新入生の皆さん、お手元に配られた資料と合わせてご覧ください!』
手元のそれを開き、もくじの欄を指でなぞった。
と、いきなり響いたシンバルの大きな音に心臓が縮み上がる。
トップバッターである吹奏楽部のアピールが始まったようだ。
迫力満点の演奏に終始鳥肌を立てながら聞き入った。
当然かもしれないが、中学のときの自分たちの演奏とは比べものにならない。
演奏を終えた先輩方は、部員数、活動内容、目標などをサラリと述べ、ステージを降りた。
そこからはその他の文化部たちのアピールが行われていく。
美術部は作品を紹介し、茶道部は浴衣で登場。
演劇部はロミオとジュリエットを熱演し、マジック部はマジックの披露。
料理部はエプロン姿で登場し昨日作ったというクッキーを配ってくれた。
…どの部活にも興味が沸かない。
部活紹介はそのまま、私とは縁がないであろう運動部のアピールへと移る。