西森さんと瑠愛くん。(仮)
保健医と昼休み。
 
「ま~た派手にやらかしたんですね~」

 窓際の怪しい観葉植物に霧吹きで水をやりながら、保健医が私を見た。

「永峯君。“今度は投げ飛ばされた~”って、シップ貼りに来ましたよ」

「…………私は悪くない」

 咀嚼していた自分特製ポテトサンドを飲み込んで、私は答えた。

「悪くないのは解ってますが…素人相手に、玄人が背負い投げは、さすがにやり過ぎです」

 保健医はヘラヘラと笑いながら、霧吹きを置くと、仕事机に戻って紅茶を啜る。

 「玄人言うな。大体、柔道だってアイツのせいで習い始めたワケだしっ」

 私は正論を吐いて、最後の一口を頬張った。


 先述の通り、永峯 瑠愛にあまりにも近い存在となった私は、一年ほど前のある日、3年生の先輩に囲まれた。

 彼女たちもまた、例の「護り隊」だった。


 当時、何の術も持たなかった私は、あっという間にボコボコに・・・。

 
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