西森さんと瑠愛くん。(仮)
「あの自他共にイケメンだと思ってるのが気持ち悪いっ!!! 外見が何だって言うのよ気持ち悪いっ!!! 人間は内側でしょ気持ち悪いっ!!!!」
頭を何度か振って、永峯 瑠愛の残像を払い落とす。
「何回気持ち悪いって言うんですか」
立ち上がって、私の背後に向かい、私に奪われた肝臓を樋口くんに戻しながら、保健医が言った。
「何回だって言ってやるわよっ。あんな、自分の外見を鼻にかけて女たらし込むようなヤツ気持ち悪い。
人間、“ありのまま素のままな内側”で勝負すべきよっ」
持論を展開して、それに自分で力強く頷く。
「本当に、何と言うか…貴女は面白い人ですねぇ」
保健医がヘラヘラ笑いながら、自分の席に戻る。
「私っておかしい? 変? 変わり者?」
保健医の言葉にムッとして、私は訊ねた。