西森さんと瑠愛くん。(仮)
・・・褒めてるのか貶してるのか。
いつだってヘラヘラ笑う保健医の真意は、推し測るのに苦労する。
(………面倒くさ)
何も応えず、私は鞄にお弁当箱をしまい、5時間目の授業の道具を取り出した。
「シカトしないでくださいよ~。今とっても良いこと言ったのに~」
「はいはい」
適当に保健医をあしらいながら、鞄を鍵つきのロッカーに放り込み、施錠する。
昼休みの終わりが迫る。
戦場だった校舎も、間もなく落ち着きを取り戻すだろう。
もっとも、私にとっては昼休み以外も「戦場」だけど・・・。
「………じゃ、頼んだわよ。センセ」
ロッカーの鍵を保健医に預け、私はフッと素早く息を吐き、気合いを入れ直した。