西森さんと瑠愛くん。(仮)
「………ちょっと不審者っぽいよ」
上履きの中を念入りに凝視していると、後ろから声がした。
誰かがいた事と、その声の主とに驚いて、思わず飛び退く。
そこには、永峯 瑠愛が立っていた。
「☆◎#◇*@■%※○っ!!?」
何語かわからない言葉を発して、私はしかし、あまりに驚きすぎて動けなかった。
何故この時間にいる?
何故ここにいる?
何をしている?
一度にいくつもの疑問が頭を駆け巡る。
どうしよう、逃げなきゃ・・・。
「……いつもこんなに早いの?」
逃走プランを練り始めると、永峯 瑠愛が口を開いた。
・・・何か、おかしい。
いつものヤツじゃない。そんな気がした。
私に近づく事をせず、距離を保っている。
「……そうよ。誰かさんのせいで、毎日戦争だから。事後処理が大変なの」
警戒心を全面に押し出しながら、ヤツに応えてみる。
「……うん……ごめん」