西森さんと瑠愛くん。(仮)
 
「………ちょっと不審者っぽいよ」

 上履きの中を念入りに凝視していると、後ろから声がした。

 誰かがいた事と、その声の主とに驚いて、思わず飛び退く。

 そこには、永峯 瑠愛が立っていた。

「☆◎#◇*@■%※○っ!!?」

 何語かわからない言葉を発して、私はしかし、あまりに驚きすぎて動けなかった。


 何故この時間にいる?

 何故ここにいる?

 何をしている?


 一度にいくつもの疑問が頭を駆け巡る。

 どうしよう、逃げなきゃ・・・。

「……いつもこんなに早いの?」

 逃走プランを練り始めると、永峯 瑠愛が口を開いた。


 ・・・何か、おかしい。

 いつものヤツじゃない。そんな気がした。

 私に近づく事をせず、距離を保っている。


「……そうよ。誰かさんのせいで、毎日戦争だから。事後処理が大変なの」

 警戒心を全面に押し出しながら、ヤツに応えてみる。

「……うん……ごめん」
 
< 21 / 98 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop