西森さんと瑠愛くん。(仮)
 
 のんびりした椿さんと、せかせか落ち着かない芽吹ちゃんのやり取りが、何だか微笑ましい。

 仲が良いんだなぁ、と感じた。

「ごめんね、うるさくて…」

 クリンクリンにする作業が終わったのか、永峯君が手を止めた。

「ううん。仲良いんだね」

 その言葉に、パタパタと私の髪を扇ぐ永峯君は、苦笑する。

「生意気で困るよ、ホント」

 そう言いつつ、芽吹ちゃんの後ろに立ち、

「いつもので良いの?」

「うん」

 とだけ会話して、息をするかの如く、あっという間に彼女の髪の毛を結い上げるあたり、本当は可愛くて仕方ないのだろうな、と思った。

「ごちそうさま、行ってきます!」

 ヘアセットが終わると同時に、食事もそこそこに切り上げて、芽吹ちゃんは出掛けていった。

 ・・・嵐が去った後のような気持ちになった。
 
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