西森さんと瑠愛くん。(仮)
・・・ひどく、虚しい気持ちになる。
私は深い溜め息を一つ吐き、机を持ち上げて、廊下にある水道場へ向かった。
花を挿したままでも良いんだけど、百合の匂いが苦手だから、こればかりは仕方がない。
防火用のバケツを借りて水を張り、花の束を浸す。
(……この花、また保健医のとこかな……)
花に罪はない。
捨ててしまうのは可哀想だから、これだけは保健室へ持っていく。
・・・保健医が、どう考えてもあまり縁起のよろしくないこの二大供花を、“大変に好んでいる”のもあるんだけどね・・・。